「自己負担額2000円の範囲でふるさと納税したいけど、上限額ってどうやって求めるの?また、最もお得にふるさと納税を行う額はいくら?」
今回はこのような疑問を解決していきます。☺︎
こんにちは。
Noteのフォロワーさんである「しゅーぞーさん」の「サウナの効能に関する記事」に感化されてサウナにハマったサラリーマンの、なかお(@nakao_fintime)です。☺︎
ふるさと納税による税金の控除額は「ふるさと納税額-2000円」です。
よって、ふるさと納税の自己負担額は2000円(最小自己負担額)となります。☺︎
しかし、ふるさと納税による税金の控除額には上限額があります。
この上限額を上回って、ふるさと納税をすると自己負担額が2000円以上になります。
なので、最小自己負担額でふるさと納税を行える上限額を把握する事が重要です。
上限額を把握する際に、ほとんどの方はシミュレーションサイトで活用して求めていると思います。
もしくは、年収からおおよその目安額が求められる早見表を使われていると思います。
今回は、シミュレーションサイトがどのような計算を行って、上限額を算出しているかについて紹介します。
また、「最もお得にふるさと納税をする寄付額」についても紹介しますので、是非当記事を最後まで見て下さい。☺︎
ふるさと納税の各項目の上限について
ふるさと納税を行う事で、税金の支払いが控除されるのですが、各控除項目でそれぞれ上限額が設定されています。
ここで、ワンストップ特例制度を利用した場合は、住民税のみから控除されます。
また、確定申告でふるさと納税を申告した場合は、住民税と所得税から控除されます。
※ただし、控除額の上限を上回らない限り、控除額の合計はワンストップ特例制度もしくは、確定申告で申告した場合で同じ。
控除される各項目と算出式、上限額は以下です。※分からない単語が出てきても、今回は使わなかったり、以降で解説していきますので、ご安心を。☺︎
項目 | 算出式 | 控除上限額 |
①住民税の寄附金税額控除の基本控除 | (ふるさと納税額-2000円)×10% | 総所得金額の30% |
②住民税の寄附金税額控除の特例控除 | (ふるさと納税額-2000円)×(90%-限界所得税率【※1】×102.1%【※2】) | 調整控除後の所得割の20% |
③住民税の寄附金税額控除の申告特例控除 | ②×限界所得税率×102.1%÷(90%-限界所得税率×102.1%) | 無し(※3) |
④所得税の寄付金控除 | (ふるさと納税額-2000円)×限界所得税率×102.1% | 総所得金額の40% |
※1:限界所得税率は所得税を算出する際に課税所得にかけた所得税率の内、1番高い所得税率の事。例えば、課税所得が400万円であれば20%。
※2:復興特別所得税率(2.1%)を限界所得税率にかけて算出する必要があるため。
※3:②の額から算出するため、②が上限額を上回ると、連動して控除される額が減ります。
ここで、ふるさと納税の申告の仕方によって控除される金額は以下によって決まります。☺︎
・ワンストップ特例制度:①+②+③
・確定申告:①+②+④
①~④の項目でそれぞれの項目毎に上限が設定されている事が分かったと思います。
ふるさと納税をする上で、1番気を付けるべき項目は「②住民税の寄附金税額控除の特別控除」の上限額になります。※上限額が4つの内で1番小さいため。
なので、最小自己負担額でふるさと納税を行う額は以下となります。
算出のフローについて
以降、最小自己負担額でふるさと納税を行うための上限額の、求め方について紹介します。
まずは算出フローから紹介します。※分からない単語があっても以降で解説していきますので、ご安心を。☺︎
総所得金額の算出方法
「総所得金額」は給与所得や事業所得などの合計額になります。
サラリーマンであれば、年間の給与から給与所得控除を差し引いた額になります。
また、副業を行っているサラリーマンであれば、給与所得に「事業所得(副業収入から経費を引いたもの)」を加えて総所得金額を算出します。
給与所得控除額については以下の表から求めます。☺︎
給与などの収入金額 | 給与所得控除額 |
6600000円未満 | 参照:所得税法別表第五(※1) |
6600000円以上、8500000円未満 | 収入金額×0.1+110万円 |
8500000円以上 | 195万円※上限 |
※1:所得税法別表第五はリンク先のページのほぼ最下部にPDFが添付されています。給与額から給与所得後の金額が求まります。
ここまでで、総所得金額が求まりました。
課税所得の算出方法
総所得金額から「各控除額」を差し引いて、課税所得を求めます。
各控除額は総所得金額や扶養している家族の有無によって変わります。
ここで、所得税を求める時と所得割を求める時で各控除の金額が異なる場合があります。
一例を紹介すると以下です。
控除項目 | 所得税 | 住民税(所得割) |
基礎控除 | 最大48万円 | 最大43万円 |
配偶者控除 | 38万円 | 33万円 |
扶養控除 | 38万円 | 33万円 |
他の項目については以下のサイトを参考にしてみて下さい。☺︎
また、生命保険料控除や地震保険料控除の算出方法も所得税と所得割で異なります。(以下のサイト参照)
オリックス生命保険株式会社のご契約者さま向けページ。生命保険料控除の適用限度額と計算方法についてご案内しています。…
三井住友海上オフィシャルサイト。自動車保険、火災保険、傷害保険などを取り扱っています。このページでは、地震保険料控除制度…
上記の控除項目に加えて、健康保険料や厚生年金保険料などの合計である「社会保険料控除」も所得税と所得割でそれぞれ差し引いて下さい。
ここまでで、課税所得が求まりました。☺︎
限界所得税率の算出方法
上記で求めた所得税の課税所得から「限界所得税率」を求めます。
以下の表から限界所得税率を求めます。
課税所得 | 限界所得税率 |
195万円未満 | 5% |
195万円以上、330万円未満 | 10% |
330万円以上、695万円未満 | 20% |
695万円以上、900万円未満 | 23% |
900万円以上、1800万円未満 | 33% |
1800万円以上、4000万円未満 | 40% |
4000万円以上 | 45% |
例えば、課税所得が400万円の方であれば、限界所得税率は20%になります。
ここまでで、限界所得税率が求まりました。☺︎
調整控除前の所得割の算出方法
所得割の課税所得に税率をかけて「調整控除前の所得割」を求めます。
調整控除前の所得割を算出する際に用いる各税率ですが、基本的に以下です。(※ただし、自治体によって割合が異なったり、独自の上乗せがある場合があります。ですが、合計10%から大きくは変わりません。)
・都(都道府県)民税:4%
・特別区(区市町村)民税:6%
ここまでで、調整控除前の所得割が求まりました。☺︎
調整控除後の所得割の算出方法
調整控除前の所得割から「調整控除額」を差し引いて、「調整控除後の所得割」を求めます。
調整控除額は所得割の課税所得によって算出方法が異なります。
具体的には、以下の場合分けで使用する金額に対して、都民税は4%、特別区民税は1%をかけて求めます
・課税所得が200万円以下の場合:人的控除ごとに定められた金額の合計額もしくは、課税所得の、いずれか小さい金額
※「人的控除ごとに定められた金額」については以降で紹介します。
■家族構成:自分と配偶者の合計2人
■総所得金額から課税所得を求める際に受けた控除:
・基礎控除
・社会保険料控除
・配偶者控除
■人的控除ごとに定められた金額の合計額:
・基礎控除(5万円)+配偶者控除(5万円※総所得金額が900万円以下の場合)=10万円
※ここで、社会保険料控除は人的控除ではないため、含まれない。
人的控除の一覧と、項目ごとに定められた金額についてさらに詳しく知りたい方は以下のサイトを参考にしてみて下さい。☺︎
ちなみにですが、人的控除以外の控除を物的控除と呼びます。
生命保険料控除などが物的控除に該当します。
ここまでで、住民税所得割額が求まりました。☺︎
最小自己負担額でふるさと納税を行う額の算出方法
最後に最小自己負担額でふるさと納税を行う上限額を求めます。
おさらいになりますが、最小自己負担額でふるさと納税を行う上限額の算出式は以下でした。
この算出式に、これまでの計算で求めた調整控除後の所得割と限界所得税率を入れて算出する事で「最小自己負担額でふるさと納税を行う額」が求まりました。☺︎
最もお得にふるさと納税を行う額の算出
ここまでで、最小自己負担額(2000円)でふるさと納税を行う上限額の算出方法を紹介しました。
しかし、僕が考えるに最小自己負担額でふるさと納税を行う上限額が最もお得にふるさと納税を行う額とは限りません。
具体的には、以下のような方が確定申告でふるさと納税を申告した場合です。
・総所得金額が1800万円以上(限界所得税率:40%)の方で、楽天ポイントの還元率が19.5%以上
・総所得金額が4000万円以上(限界所得税率:45%)の方で、楽天ポイントの還元率が14.5%以上
上記の方は以下の算出額が最もお得にふるさと納税を行う額になります。☺︎
自己負担額は2000円を超えますが、以下の式が成り立つため、お得になります。☺︎
※1:ふるさと納税によって得られるお礼品の価値と還元ポイント、税金控除額の合計額÷ふるさと納税額×100[%]で算出。
上記に該当しない方は「最小自己負担額でふるさと納税を行う上限額が最もお得」になります。
しかし、お礼品の価格設定により、最小自己負担額でふるさと納税を行う上限額ぴったりにふるさと納税をする事が難しいのが現実です。
その際は、最小自己負担額でふるさと納税を行う上限額を超えてふるさと納税をした場合と、しなかった場合のどちらがお得か判断して下さい。
例えば下記のような具合です。
上記に算出した控除額に加えて、所得税の寄付金控除分「(ふるさと納税額-2000円)×限界所得税率×102.1%」が控除額として加算されるためです。☺︎
最後に
今回は、最小自己負担額でふるさと納税を行う上限額と、最もお得にふるさと納税を行う額について紹介しました。
かなりボリュームの多い記事となっておりますので、よかったらURLをブックマークして、必要な時に読み返して頂く事をおすすめします。☺︎
また、おすすめのふるさと納税の方法についてや、ふるさと納税によって控除される額の確認方法は以下の記事で紹介していますので、よかったらこちらもチェックしてみて下さい。☺︎
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